「大丈夫よ。あたしの家ここから走れば1分ぐらいだし。」




馨は困った顏をした。




困った顏をしたいのはあたしもだ。






ぶつかっただけの女にここまでする必要もないのに。






そのとき、あたしと馨のいるところからだいだい50メートルほど先の公園の入り口あたりに真っ黒の高級車が止まった。




遠いし周りが薄暗いせいかはっきりとは見えない。




フルスモークだから中に何人の人がいるのかもわからない。




ただわかるのは、黒の高級車ってこと。






何で、こんなところに高級車が停まってるの?



まさかと思うけど、馨が呼んだ迎えってあれのこと?