「風雅のことが好きなの?」
「当たり前でしょ!!だからあんたは邪魔なの!!」
女は馬鹿じゃないの!?という視線で見てくる。
「あたしは恋したことないし、誰が誰を好きになろうが関係ないけど、これだけは言える…」
あたしは女を睨んだ。
「あんたのは、恋なんかじゃない。」
「何でそんなことっ!!」
「きれいごとかもしれないけど、恋は見た目でするものじゃない。」
あたしは一呼吸置いて続ける。
「あたしは、最後までお互いを思い続けた人達を知ってる。だからこそ言える、あんたのは恋じゃない。」
今、あたしの頭の中には二人の男女がいた。
二人で寄り添っていつも優しく笑っていた人達。
あたしの尊敬する人達だった。

