「あんたは、風雅の何を見てたの?」
風雅に抱きついた女はあたしの言葉に風雅から視線を変えてあたしを睨みつけた。
「五月蝿い!!あたしはあんたなんかよりもずっと長く風雅様を見てたの!!」
「時間なんて関係ない。どういう思いで見てきたかって聞いてんの。」
女の叫び声に顔色変えずあたしは答える。
「風雅様は風神の総長よ!!顔だって信じられないぐらいかっこいい、それだけで十分じゃない!!」
あたしはため息をついた。
この女は何も見ていない。
地位や見た目だけで大切なことを何一つ見ていない。
これじゃ風雅がかわいそうだ。

