「何かって?」 「例えば…殴られたりとか。」 図星を指されてあたしは固まるしかない。 何も言わないのを正解と見たのか水埜さんはため息をつく。 「あの…どうして。」 不思議に思ったあたしは水埜さんに聞く。 「あたしもやられた時があったのよ。まぁ、返り討ちだったけど。だからもしかしてと思って。」 「そうですか…」 「体は痛む?」 「あっ、全然大丈夫です。」 「嘘つかないの。」 水埜さんにはバレバレらしい。 「…ちょっと痛いです。」 観念したあたしは正直に言った。