風神I





「…………どうして。」




あたしは水埜さんから目を逸らす。




「あなたは、昔のあたしにそっくりよ。」




「あたしが?」




「えぇ。特にその目。」




水埜さんのオレンジの瞳があたしを見る。




「今じゃなくてもいいわ。信じてみて、あいつ等は絶対にあなたを見捨てない。」




信じてるんだ。風雅達を…




あたしは小さく頷くことしか出来なかった。




それを見た水埜さんは微笑みながら頭を撫でてくれた。









「ところで真城ちゃん。女どもになにかされなかった?」




いきなりの話の変わりように拍子のけしてしまった。