「何でもないよ。」




あたしはお腹の痛みを我慢しながら答える。




「具合悪かったら言ってね。」




空良が心配そうに言う。




「大丈夫。」




心配かけたくないことと、ばれたくなかったあたしは必死に嘘をついた。










ばれたくなかった…




みんなに関係のないことだから言う必要がないという思いだったからなのかもしれない、




これ以上迷惑かけたくないという思いだったからなのかもしれない、




この空間を壊したくないという思いだったからなのかもしれない、




どちらにしろ、この選択が悪夢の始まりだった。