「誰にやられた。」 突然の風雅の言葉に手が止まった。 「誰にもやられてないよ、階段で滑っただけだから。」 怪しまれないようにと思い、平然を装いながら言う。 「本当か。」 風雅は疑り深く聞いてくる。 「本当だよ。こんなことで嘘ついてどうすんの。」 あたしは食べ終わったヨーグルトのからをゴミ箱に捨てた。 「…何かあったら言え。」 風雅は少し考えたあと、あたしの頭をポンポンと叩いた。 「うん。」 あたしはその言葉しか言い出せなかった。