運転手に家の場所を教えて向かっている間車では誰も話さなかった。




あたしも元々あんまり喋らないし、風雅も無口だ、運転手はどうかわからないがとにかく車の中は静まり帰っていた。




風雅は寝てしまって、あたしはずっと窓の外を眺めていた。





二十分か三十分ほど走って車はあたしの家の前に止まった。




運転手にお礼を言って車を降りる。




今度は慌てるんじゃなくて笑い返してくれた。




一応、風雅にもお礼を言っておいた。







あたしが降りると風雅は車の窓ガラスをあけて言った。






「明日八時に迎えに行く。準備しとけ。」




そう言って車は発進していった。