中に入るとまず始めに目に入ってきたのは風神と書かれた黒くて大きな旗だった。 旗の下には数十人ほどの名前が一人一人、板に掲げられていた。 「おせぇよ、お前ら」 あたし達が入ってきたことに気がついた旭が言った。 旭の声にはっとなり周りを見渡した。 そこは生活感のある部屋だった。 液晶テレビにソファ、テーブル、エアコン、絨毯までひかれてある。 しかも、白の薄いレースがかかっててよく見えないけど奥にあるのってもしかしてキッチンじゃない? 「家?」 あたしは思わず声にだしてしまった。