風神I





それにしてもこの高級車どこかで見たことある気がする。




モヤモヤした気持ちのままあたしは高級車に乗り込んだ。




「ねぇ、何で高級車なんか持ってるの?」




「初代がくれたんだよ。」




あたしの質問に答えた空良はちらっと風雅を見た。




どうして風雅?




そう思ったが特に何も言わず黙って外の景色を見ていた。






15分ほど車は走り続け、海岸近くで止まった。





「真城ちゃん、ついたよ。」





助手席に乗っていた空良が振り返りながら言った。




みんな次々に車を降りていく。




あたしは運転手にお礼を言ったあと車を降りた。