風神I





「よくも、騙したな…」




「騙してないよ。ただ言わなかっただけだよ。」




あたしの中での空良のイメージはボロボロと崩れていった。




「あぁ、俺達が一緒にいられないときの護衛は氷真と紫音にまかせるから。」




紫音ならともかく氷真みたいな馬鹿に守られるなんて、屈辱だ。










「あたし、姫やめる。」




「「えぇー!!なんで!?」」




あたしの辞める発言に食いついてきたのは大と力。




「風神の姫って女達がみんななりたがってる立場なんだよ!?」




「真城、姫になりたくないの?」




大と力が交互に言う。