気がつくと、あたしの住むマンションの前まで来ていた。




「あたし、ここの上だから。」




あたしは風雅の方に顏を向けた。




風雅もまた、無表情であたしを見ていた。







「送ってくれてありがと。じゃ。」




あたしはマンションの方へ足を進めた。




マンションに入り階段を登ろうと足をかけたとき、




後ろで風雅の声が聞こえ振り返った。そこには真剣な目をした風雅。







「屋上。また来い。」




風雅は少し間をおいて言った。




「あいつらも、お前が来んの待ってる。」




そう言って風雅はもと来た道を戻っていった。