「はぁ?お前風神も知らねぇの?」
「知らん。聞いたこともない。」
「マジかよ…。」
大五郎は、呆れたあと少し困ったように笑いながら言った。
「風神っつうのはあれだよ、その…」
「あれってなんだよ。」
少し間をとって、大五郎は観念したかのように言葉を続けた。
「……………………暴走族。」
「ふーん。」
「ふーんってそれだけ?」
「他にどんな反応すればいいのよ。」
「イヤ、てっきり怖がるかなと…」
「別に、あたしに関係ないし、どうでもいい。」
「どうでもいいってお前…。風神は全国No.1の族だぞ?へたすりゃ自分に危害が加わるかもしんねぇぞ?」
「誰とも関わる気ないんだから危害なんてあるわけないでしょ。それにあたし逃げ足は速いし。」
あたしは平然と答えた。

