桜色を覚えた絵


だから今、結衣はこんなに童心にかえっているのだろうか。

そう、幼い感覚が蘇り、すき!うれしい!きれい!たのしい!しあわせ!おいしい!ねむい!――小さな子が得意とする感情しか芽生えないのかもしれない。


だいすきな洋平と見る桜はきれいで、ご飯も特別おいしいからたのしくてうれしくて、ねむいのに寝るのはもったいないこの恋はしあわせ。


桜はやっぱり頭の中をおかしくさせる。

世界には彼しか居なくなって全部全部背景にしてしまう、そう、桜さえも。