桜色を覚えた絵


全体的に品の良いお嬢さんをイメージしたコーディネートは、色合いが洋平とまるかぶりで笑えた。


「可愛いじゃん、わたし!」

美味しい美味しいとお重をつつく洋平につっかかるのは結衣で、

滑る冗談が飛び交う関係が理想だったから、いつも彼氏は彼女の夢を叶えてくれる。


「桜よりきれいだよ。」

そう、胡散臭い台詞を変な顔で棒読みするから好き。

だって彼は嘘が下手くそで、ネタだギャグだといくらごまかそうが耳だけは真っ赤なのだから子供みたいだ。


本気で甘い言葉をくれるよりも、ガサツにごちゃつかせて贈ってくれる洋平をまた今日も好きになる。