「…ねぇ、好きだよ?」

戸惑ったように笑う君の顔がまぶたの裏に浮かぶ。

『……ん』

「好き?」

いつも聞いても答えないではぐらかす君。

『…好きだよ。』

でもね、知ってるんだ。
寝ぼけたふりしてこの言葉を言ってること。

寝ぼけたふりをしなきゃ言えない君が
可愛くて、可愛くて。

携帯の前でいつかかってくるかと
忠犬のように待つ君を想像すれば、
自然と口元が緩む。