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「有馬~……お腹すいたよ、わたし……」

時刻は午後9時。

帰ってこない彼を待って幾千年。

最後に貴方が残していったあのベーコンエッグの味が、今もわたしの胸に染み付いて離れません。

嗚呼、せめてもう一度だけでも……。

最近悲恋物のロマンス小説にはまっている桜は、悲劇のヒロインぶって床に崩れ落ちた。

コンビニかどこかで弁当でも買えばいいのだが、同居以来1日おきに口にする有馬の料理で、最近めっきり舌が肥えてしまった。

恐るべし有馬料理。

お弁当男子どころか、自炊女子もびっくりの腕前である。