「ぶぶー。6万でしたー」

やっぱりか!

がっくりと有馬は肩を落とす。

そもそも最初の値段が破格値すぎたのだ。

妥当な値段だ。

「そんな高いんじゃ、いくら部屋があっても借りられませんよ……」

うなだれた有馬を他所に、桜はふらりと立ち上がった。

リビング以外の他の部屋を、1つ1つ確認していく。

主に、着眼点はドアである。

戻ってきた桜と有馬の目がバッチリと合うと、2人はどちらともなく口を開いた。