「君の帰りたいお家には――――…闇が住んでいたりしない?」

あたしは口の端と端をゆっくり上げる。ああ、やっぱりいるんだ。
闇を棲ませる物好きがいるなんてねぇ。危険なことをするもんだ。


ノイズはボソボソと何かを呟く。端から見れば薬に手を出した人に見えなくもない。


「…ケテ…シ…ココニ…」


「誰を呼んでる?」


ヴィスが嫌悪感を抱いた声を発する。ノイズがそれに答えることがない。つまりは、集中してるってことかなぁ。



「ハヤク…」


「案外直ぐにあえると思うよ。……敵に。」