この世界は大きく分けて闇と光で出来ている。
細かく言うと、闇と光とその間にある狭間に分けられる。


闇が光になることはない。
だが、光の奴が闇になることはある。
それは簡単だ、光はすぐに闇に堕ちたがる。


理由は簡単。
感情というものがあるからだ。

喜怒哀楽が激しい光。


逆に、闇は生まれた頃から感情が乏しいのだ。


欲望といった類はあるけれど、感情は欠けている。


現にあたしには悲しみが分からないし、簡単に人を傷つけることだって出来る。






「―…キミは…闇にはなれそうにないねぇ。だから、キミには感情をなくしてもらわないと。」


「どういう、事でしょう?」


物わかりが悪い子、だねえ。
キミは今から狭間に行くの。

そこで自分がいかに馬鹿なことをしたか知るといいよ。




あたしはある場所につくと、片手を少女の細い首に持って行く。
そして、少女の息をのむ音をBGMにしながら少女の首を一気に絞めた。



カランコロンと音をたてて少女が倒れる。
まるで、マネキンのように。







「…さあ、君は闇?それとも、光?」



薄暗い闇の中、あたしの声が異様に響いた。