「てか、標準語にしようとか思わないわけ?」


ジト目を向ける千夏ちゃん。


「ん〜、思わんな。これが一番楽やし。でも…」


でも…?


「俺、真剣になってる時とか、本気の時は何故か自然に標準語になるんよ。」


その言葉に、内海くんが身を乗り出す。


「確かに柊、試合中は標準語だった。」


「うっわ、恥ずいわ。気にせんといて。」


照れながら頭をかく広川くんが少し可愛く思え、思わず笑ってしまった。


「そろそろ出ようか。」


そして私達はファミレスを出た。


「じゃあ、このあとカラオケ行かん?」

唐突に、広川くんが言った。

ええっ。

私は乗り気じゃなかったけど…


結局、行く事になってしまった。