前に付き合ってみるって聞かれた時には、関西弁だったから本気じゃないってわかった。
でも最近は広川、普段から標準語だ。
口調じゃ本気かどうかなんて分からない。
でも、今なら口調で確認しなくても分かる。
その表情から広川が、本気で好きだって言ってくれてること。
「つーか、中山はどうなんだよ。」
咳払いして、広川が言った。
ボン!と、急激に顔が熱くなる。
「どうって…。」
私が口をモゴモゴさせていると、広川は少し寂しそうな顔をした。
「…確かに、急にこんな話されても困るよな。せめて、筒井に相談してた内容だけでも教えてよ。」
「…広川のことだよ。」
私は、目を伏せて言った。

