「え…。」


「何とも思ってないのに、こういうことしないで。…広川の好きな人に誤解されちゃうよ。」



広川のことを名前で呼んでいた女の子じゃない。


でも、広川さっき片思いしてるって言ってたから、好きなコはいるはずだもん。


「いいよ。誤解されて困るコなんていないから。」


笑いながら言う広川。

衝撃の発言。


どういうこと…?



「それに、思わせ振りじゃない。本当に俺がこうしたかっただけ。」



空を見つめる広川。



「嫌だったんだ。中山が筒井には相談出来て、俺には相談出来ない事が。だからって訳じゃないけど、何だか変に胸騒ぎがしてて…中山達が行った方向に行ってみたら、そうなってたわけ。」



私は目を伏せて、唇を指でなぞった。



「中山が泣きながらキスされてんのを見て、本気でムカついた。だからこんなことしたんだ。」