自分以外の誰かを好きな人を、好きになることだってあるんだ。
それが、今の私達の現状。
広川だってあんなにムキになるくらいだもん…あの女の子が好きなのかもしれない。
一方私の方は、避けられてる。
完璧な、片思い。
「広川なんか、忘れちゃいなよ…。」
接近してくる、健吾くんの顔。
次の瞬間、私は口付けられていた。
「んんっ…っ!」
必死で抵抗するのに、健吾くんはびくともしない。
やだ。
助けて。
誰か…っ。
「てめえ…何してんだよ。」
聞こえた、低音の声。
その瞬間、私は解放されていた。
広川だった。

