「え、何で関西弁じゃないの?!」



ぱちくりする私に、広川はけろっとして答えた。



「元々は俺、標準語しゃべってたんだよ。」



へ?



「だから、いざとなると標準語になってたってわけ。関西弁話してたのは、親父の影響だった。でも離婚したんだし、この口調のせいで母さんに親父の事思いださせちゃうのって嫌だしさ、だから戻したんだ。」



こんなこと普通に話す広川を見ると、昨日の事は夢だったんじゃないかなって思う。




「お前のおかげだよ、切り替え出来たの。昨日はマジでありがとな。」




頭をポンとされ、広川は自分の席へと向かった。




自分の頭を触る。


前言撤回。

夢じゃなかった。