「情けななくなんてないよ。誰だって、泣きたくなることだってあるもん。」 少し驚いた顔の広川。 「私にはなんにも出来ないから、広川が帰りたくなるまで側にいてあげる。」 ギュッ そう言った瞬間、ブランコを握っていた私の手は、広川の大きな手で包まれた。。 「少しだけ…こうさせて。」 私の体温が上がり、鼓動が高鳴る。 「…うん。」 今日は曇っていて、星や月は見えなかった。 その代わり、公園の街灯だけが、私達を照らしていた。