あんたとあたし。




「ほんとにキャプテンが桔川先輩に頼みに行ったんですか?」



 汗を拭きながら不思議そうな顔をして訊ねてくる。

 

「なんで?おかしい?」


「おかしいって・・・。だいぶ変ですよ。」



 ・・・変?


 変って・・・なんだ?



「キャプテン、女嫌いなんですよ?」


「え、そうなのっ?」



 嫌いなんだ。

 意外・・・?いや、意外じゃないかも。


 ・・・どっちだろ。


 女嫌いと聞いて、自分がここにいることを不思議に思った。

 何でか、うれしく思う自分もいた。


「桔川先輩、キャプテンと仲いいし知ってると思ってました。」


「仲いいって・・・そんな風に見える?」


「はい。」


 あんなにキャプテンが笑ってるの、見たことないですよ、と

 笑ったと同時に、集合が掛かり、その子は走って戻っていった。



 ・・・女嫌いなのに、龍、モテるんだよね。

 ・・・知らないけど。


 そもそも、あたし自身、龍の存在を最近知ったわけで。