あんたとあたし。






「てか、あんた、ほんとに夏休みの間、マネージャー三昧なわけ??」


 メールの返信を終えた彩が、スプーンを加えたまま聞いてる。


「詳しい話、あれからしてないから、わかんないけど、たぶんそうだよ。」

「詳しい話してないのっ??」


 びっくりした表情で、彩が言う。
 
 ほんとにしてないんだから、仕方ないじゃん。
 祥志を通して話もなかったし、担任のハゲも何も言わなかったし、学校で会わなかったし。


「あんたから、電話かメールか、すればいいじゃん。」


 あたしはそこで初めて重大なことに気が付いた。


「あ、あたし、連絡先、知らない・・・わ。」


 彩が目を剥いた。

 知らないものは知らないんだよ。あたしだって。

 今初めて気づいたよ。そういえば、何も知らないわ。


「もー、留衣って、たまにドジ踏むよね。ほんと。」

「ドジじゃないし。でも、どーしよ。」