あんたとあたし。





 啓と彩は幼馴染。あたしは、中学に入ってからの飛び入り参加。
 彩とは運よく、中学3年間&去年同じクラスだったけど、啓とは、2回目。中2の時と今年。

 
 啓とあたしは、特別よく話すわけじゃない。でも、ほかの子との関係に比べたら、よく話してる。


 そんな微妙な関係だから、今回の呼出には驚いた。


「ねー、修はー。」


 甘えたように駄々をこねる彩。修とは彼女の彼氏。学年一、いや、学校一のバカップル。見るに堪えない飽きのなさには、先生も笑うほど。


「んー、わかんない。見てないし。」

「見てきてよ。あんた、体育館裏、行ったじゃん。」

「いや、確かに言ったけど。彼女でもないあたしが修みてたら変じゃん。」

「あー、確かに。」


 納得いったのか、いってないのか。曖昧な返事で流す彩。
 しきりに体育館の中を覗いてる。見たいなら、見に行けばいいのに。


 そうしないところが、彩らしい。