あんたとあたし。





 こいつ、笑いのツボ、おかしいって、絶対。


 この前も、わけわかんないとこで笑ってたし。


「何となく、好きなんだよ?」


 とってつけたような疑問形の文章とともに、かすかに微笑む橘龍の顔。

 一瞬ドキッとした気がしただけ。分かんないけど。


「俺、何となくミルクティー、好き。」


 初めて、あたしが質問しないで口を開いた橘龍。
 びっくりした反面、うれしい自分がいた。
 そんなことを思う、自分にビックリした自分もいた。

 首を縦に振ると、ふっと笑って、言葉をつなげた目の前の少年。


「だから、それと同じように、お前にマネージャーやってほしい。」


 それと同じように??

 それ=橘龍がミルクティーを好きなように。でしょ?
 だから、そのミルクティー好きな理由と同じ理由であたしにマネージャーやってほしいってこと??

 ミルクティーを好きな理由って・・・なんとなく??