あんたとあたし。





 ホームに降りて、ベンチに座った。

 正面のホームに橘龍の姿が見えて、思わず叫びそうになった。

 向こうも気づいてくれたみたいだけど、どう行動をとったらいいのかわからない。

 手を振っても向こうは振りかえすような性格じゃないし。あたし、イタイし。お辞儀したら、返してくれそうだけど、それも、ちょっと変。

 いくつか考えたけど、やっぱり違う。

 結局、向こうが笑ってくれて、あたしも笑って返す感じになった。

 
 妙に、この雰囲気や感じをうれしく感じる自分がおかしい。
 不意に、橘龍にドキッとする自分もおかしい。

 ペースを乱されるってこーゆーのじゃない??
 あたしがあたしの思ってるように行動してるだけなのに、まるであたしであたしじゃないみたい。
 
 
 彩や修、祥志や明ちゃんといても、思う。でも、橘龍との空間で、感じるものとはまた違う。
 彩たちと話してても楽しいときは楽しいし嬉しいときは嬉しい。
 でも、橘龍といると変な感じ。


 なにこれ。