あんたとあたし。





 普通って言い方、傷ついたかな。


「なんてゆーの?あたしが聞いてた噂・・・とかとは違う感じだから・・・さ。」


 さっき「は?」と言われた声がなぜか耳から離れなかった。

 びっくりした勢いで出てきた声だから、素っ頓狂だったのかもしれない。
 でも、明らかに、今までとは違う要素が含まれていた。

 あたしの、勘違いかもしれないけど。


「噂なんて、そんなもんだよ。」


 橘龍がそんなことを言うとは思わなかった。
 軽く、流されるって思ってた。

 「そうなのかな」なんて言いながら、見上げた、橘龍の顔が悲しそうだったのは気のせい??


「お前も、噂とは違う。」

「なにそれ。あたし、どんなイメージなわけ。」

 
 笑いながら、言った。
 てゆーか、あたしに噂なんてあったんだ。初耳なんだけど。