あんたとあたし。






「祥志の従妹じゃなかったっけ。」


 「ばいばーい」と手を振る3人を置いて、店を出た。


「あー、祥志か。あってるあってる。」


 なんであたしの名前、男なんかに教えてんの。もうご飯作ってやんない。

 でも、なんで、顔も名前も一致すんの??


「なんで、あたしの顔、知ってんの??」


 もう話しかけられることはないと思っていたのか、びっくりした顔をして上から見下ろしてくる。


「2年の美人って有名だって、お前。」

「なにそれ、それ聞いても、ちゃんと否定しといてよ。」


 ははっと笑う、橘龍に思わず目を疑った。


 あまりに幼く、無邪気な顔をして、笑うから。綺麗な顔して笑うから。

 男嫌いのあたしが、一瞬見とれてしまった。