何を隠そう、あのチャラ男、彩の従兄、弘貴が歩いてきたから。

 なれなれしく声をかけられたかと思うと、無理矢理肩を組まれ、店の中に連れ込まれた。


「ちょ、なにすんのっ!」


 組まれた腕を離そうとしたけれど、抵抗もむなしく、強引に席まで連れていかれる。

 席の中心から、「弘貴遅い~。」「幹事でしょ~。」と女ばかりから、文句が飛び交った。

 「わりーわりー」と申し訳なく思ってなさそうなチャラ男。


 ほんと、最低。だから男は嫌い。

 あたし、もともとこんなとこ、来たくなかったのに。ほんと、うざい。

 
 ぱっと肩からチャラ男の腕が離れ、席に着くように、促された。

 とりあえず、先にはついてみたものの、完璧にあたしは、みんなの視線の先にいた。


「ね、高校生?」

「見た目、そうだよね。」

「え、待って。もしかして、弘貴が呼んだの?」

「本当に?じゃあもしかして、ロリコンだったり?」

「弘貴なら、ありえそうでいやだー。」