「―――で、話って?」


 体育館出口の階段に座って話す。練習中の休憩だったのか、首から下げた青いマフラータオルを握りしめて、いつもの啓らしくなく、うつむいてる。

 変な沈黙があって、ふいに、啓が顔を上げ、隣にいるあたしに目を向けた。
 思わずびっくりしちゃって。


「な、何っ?」


 なんて、若干ドモって言ってしまう。


「あの、俺さ…」

「ん?」


 何気ないしぐさで、少し笑って、目を見つめた。
 意志の固い目で、変に緊張してしまう。


「だーっっ!!」

「へっ?」


 いきなり、手にしたタオルを頭にかけてわしゃわしゃと両手で頭をぐちゃぐちゃにしている。


 …あたし、何かした??