学校に着くと、いつものように騒がしい教室に何食わぬ顔して足を踏み入れる。


「留衣、おはよ。」

「ふぁっ、あー、おはよー。」


 席に着いたのと同時に、彩と修が入ってきた。
 

「昨日、ごめんね?」


 後ろの席から、彩が謝ってきた。


「あー、いいよ別に。あたしが勝手に帰ったんだし。」

「ほんとごめん。」

「いいよ、埋め合わせしてくれれば。」

「なにそれー。もしかして、それが狙い?」

「うそだよ、冗談に決まってんじゃーん。」

「いうと思った。」

「なら狙い?とか聞くなって。」


 ははっと笑いながら、時計を見上げた。