あんたとあたし。



 ・・・なに、言おうとしたんだろ。

 龍ってさ・・・・?


 今、言っちゃイケナイことだと思う。

 龍にとってもあたしにとっても。


 しばらく、この関係を続けていたい。

 やり難くなるとか、そういうんじゃなくて。


 もう少しだけ、時間がほしい。

 決断する、時間が。


「なんもない。」


 下手くそに作り笑いを返し、海行こ、と龍の手を引いた。


 ちょっと待って、とTシャツをまくり上げる。

 腕や足とは違って少し白い上半身。


 腹筋なんか割れててさ。

 まくり上げた時に盛り上がる腕の筋肉とかさ。

 
 ・・・正直、またドキッとした。

 視線を元に戻せなくなって、気づけば引っ張っていた腕がそろそろと落ちる。


 不思議そうにあたしの顔を覗いた龍。

 見られるのが恥ずかしくなって、必死で逃げる。


「行くんだろ?」


 うん、と小さく小さく、返事。

 不意に掴まれた左手首。


 びっくりして見上げると、ニカッと。

 子供のように笑う龍。


 ずんずん、引っ張っていかれる。


 ・・・不意打ちだらけ。