気にしないつもりが、いつの間にかものすごく気になって。
それでも、あたし自身の感情は無視した。
・・・何かが、変わる気がした。
それは、証拠も何もないもの。
けど。間違いだって、思えない。
“あのヒト”―――・・・
誰にだって、こんな時はあるのかもしれない。
自然に交わされていく会話は、やがて落ちそうで落ちない星の夜を連れてきた。
いつの間にか、バイトの女の子の姿は消え、オーナーさんともう一人の店員さんだけになっていた。
「あんたらがいつも一番最後。」
「ここ居心地良いし、ね?」
斜め後ろに立つ龍の顔を見上げる。
恥ずかしいのか、照れてるのか、はたまた嫌いなのか。
黙ったまま、こくり、と頷き財布を取り出した。
お勘定をしてもらって、店を出た。
外は、若者の繰り出す世界。
熱気と無知が溢れ返る、この世界。

