「大丈夫?」
「……うん」

 少女と一緒に倉庫に閉じこめられた時弥は気遣うように声をかけた。

 冷たいコンクリートの床に毛布を敷いてその上に2人は両手を後ろ手に縛られてまとめられている。

 15~16歳ほどと思われる少女は肩までの黒髪を緩くカールしていて大きめの瞳は可愛く潤んでいる。

「俺、時弥」
「あたし……理絵(りえ)」

「理絵ちゃんか。怖がらなくていいよ。きっとなんとかなるから」

「うん……」

 理絵はか細く発して頷いた。

 本当はもう1人仲間がいる事を教えて安心させてあげたかったが、いつどこで彼らに知られるか解らない。

 心苦しいが杜斗の事は伏せておく事にした。