「…………隼人」




……この状況はナンデスカ?




何故私は隼人にお姫様だっこなるものをされている!?



「ん?なになに?」




キラキラと笑顔を輝かせて隼人は私の顔を覗き込んでくる




「……邪魔。早く下ろして」




お祭り状態の心臓とは真逆に
私は冷めた目で隼人を見つめる



心臓がぶっこわれそうなんじゃこのやろうっ!!




しかし


私の言葉を聞いたとたん
隼人はしょげた顔をして



「だって、香奈がなかなか起きないんだもん…。」



なんて言ってる



…もしここで隼人の言葉に効果音を付けるとしたら



間違いなく



キュウ~ン



だろう



飼い主においてけぼりを喰らった犬みたいな目でこっちを見るなぁっ!!



お前は犬か!?

犬だったのか!?



思わずそうツッコみたくなるのを抑え

私はメンタルを落ち着かせるためにはぁ~、と大きなため息を吐いた



「…わかった。わかったから、着替えてやるから早く下ろせ」


とりあえず
そう言ってやった