「……な……か…な」



遠くで誰かが私を呼んでいる……


なんだかとっても聞き覚えのある声だけど、とりあえず無視。



「香奈、早く起きて。遅刻しちゃうよ」


そういって誰かが私を布団ごと揺り動かす


うるさいな…


人の睡眠時間を邪魔しないでよ


私はおもむろに布団の中から片手を出した。


「お、起きる気になった?」


そして手近にあったクッションを掴むとそれを見知らぬ誰かに投げつけた


「痛っ!?ちょ、香奈何すんの!」


どうやらクッションは相手の顔面にクリーンヒットしたらしい


「埃が口にはいったじゃ~ん」


「うるさい。私は寝る。とっとと出てけ」


目をつむったまま、
私は相手の返事も待たず、そのまま頭から布団を被りなおした。


せっかく気持ち良く寝てたっていうのに、邪魔されてしまった。


私はまた押し寄せる睡魔に見を任せ、意識を手放そうとした…………が