「王子もその能力には優れているはずです」

「らしいな」

「でもね猟サン。透視能力というやつは、お互い、気の合う者同士でないとなかなか読めないらしいですよ」

「はあ?」

ノックする音が聞こえたのでオレはドアを開けた。
リズミーがシーツを抱えて立っていた。

「ベッドメイクをさせていただきます」

相変わらず機械的な喋り方だ。

「ねえ猟サン。相手を確認する前にドアを開けるのは危険じゃありません?」

サムトが言った。

そう言えばノックの音を聞いてすぐにオレはドアを開けた。
だけど実はそれがリズミーだと分かっていた。
なぜだか分からないが、ドアの外に立つリズミーの姿が見えた気がした。

「はあ? それって透視ですか?」

「透視?」

そうなのか? 

オレに透視能力があんのか?