「須原サンは地球へ来る前は何してたんや?」

「士官学校の学生でした」

須原サンは軍人になるつもりだったのか? 

意外だ。

軍を憎んでいたんじゃなかったのか。

「軍人は子供たちの憧れの職業なんです。兄も子供の頃は軍人に憧れていました」

その憧れは見事に踏み躙られた、というわけだ。

須原サンは士官学校で何を見たのだろうか。

「けどさ。なんで須原サンはオレのことを知っていたんやろな。オレと須原サンの出会いはホンマに偶然やったのに」

オレが喧嘩をしていたら、偶然通り掛かった須原サンが加勢してくれた。
出会いはそれだけだった。

宇宙人の考えはよく分からないが、地球人は宇宙人の存在を信じちゃいない。
オレが宇宙人に知られる理由なんて絶対にない。オレは今でもそう思っている。

「あ~、気持ち悪いよな。宇宙人に親戚なんていてへんのに」