6、透視能力


「兄は地球で、幸せに暮らしていたのでしょうか?」

サムトが尋ねた。

「オレが知る限り、楽しそうだったけどな」

「そうですか・・・良かった」

だけど今思えば、時々物凄く寂しそうな顔をすることがあった。
あれはサムトや家族のことを思い出していたのかも知れない。

こんなにも須原サンの近くに居ながら、なぜ須原サンが宇宙人だと気付いてやれなかったのだろう。

って言うか、気付く人間が居たらおかしいけれど。