「何かあったのか?」

涼しげな声にオレの頭が噴火しそうになった。

「不法侵入者を捕らえただけにございます。ご心配なく」

「そうか」

おいコラ、ミドリ・・・・・
そうか、じゃねえだろ。

「ん? 何か申したか?」

「いいえ」

「そうか」

そやから 「そうか」 じゃねえよ。
そう叫びたかったが、オレは口の中にタオルを押し込まれ、声を発することができなくなった。

テメーの星はどうなってんねん? 
これがこの星の実態かよ? 
何が次期国王や? 
ふざけるなドアホ!!! 

だからオレは心の中で叫んだ。
だってミドリ、オマエには心の中の叫び声が聞こえるんだろ? 
そう言うたよな。
だったら気付けよ。

気付けよドアホ!

「ドアホ?」

ミドリが足を止めた。

「ちょっと中を検めさせて貰っても良いか?」

「ラルフ様にご覧いただくようなものはございませんので」

「構わん」

ミドリが入って来た。

「猟・・・・・・・・・こんなところで何してる」

何してるも何も、絶体絶命のピンチに晒されてんねん。

「不法侵入というのはこの者たちなのか?」

ミドリが兵隊に尋ねた。

「はい」

「そうか。だったらもう良い。この者たちはオレの知り合いだ。オレが身請け人となる」

「ですがラルフ様」

「良いからとっととドクターを呼べ」