☆:・★*・☆※・・★・☆

翌朝。

オレは学校へは行かず、須原サンが働いていた喫茶店に向かった。
もしかしたら須原サンが来ているかも知れない。
そんな期待があった。

だが須原サンの姿はなかった。

店長が 「今時の若いヤツは」 と怒っていた。
須原サンが無断欠勤したと思っているからだ。
須原サンは死んだよ、と教えてやろうかと思った。
だがオレ自身、須原サンの死をまだ受け入れられなかった。
 
須原サンはいつも店長と何を話していたのだろう。
店長も昔はヤクザの部屋住みをしていて、かなりワルだったと聞いている。
だから須原サンやオレのような世間の落ちこぼれにも優しかった。

今日発売の写真週刊誌に 「関西上空に謎のUFO出現」 というスクープ写真が載っていた。

「オレ、ゆうべ見たでえ。赤い光が空に飛んで行きよった」

「ワシも見た。ごっつぅデッカイ円盤やったわ」

店内はその話で盛り上がっていた。