「なんで?」

「須原サンが殺したという証拠はあるのか?」

「証拠はある。母上のベッドルームから宮殿の出口まで、ペイジャックの血液が転々と落ちていた。母上と争ったときにできた傷だろう。ヤツが歩いた証拠だ。それに、メイドがペイジャックの姿を目撃している」

「けど須原サンはそんな人じゃない。須原サンは女に手を出すような卑怯者やないねん!」

オレは布団を被った。

「出て行け。とっとと帰れ!」

「もう二度と地球へは来ない。さようなら、猟。ありがとう、猟」

へんてこな宇宙船がミドリを迎えに来ていた。
ミドリはココが二階にも拘わらず窓から出て行った。
そして宇宙船は赤い炎の尾を引いて、星空の彼方へ消えた。


いいのか、猟・・・・・・・・・・・

 
忘れてしまっていいのか?

どこからかまたそんな声がした。
錯覚だろうか。
 
目を閉じた。
とにかく眠りたかった。