「困りますよ・・・須原サン」

須原サンはオレの手を握り、そして右手に小さな鍵を握らせた。

「何ですか、コレ」

「お守りだと思ってくれたら良い」

「死ぬつもりですか?」

「ミドリはオマエに対して無警戒だ。オレがオマエに近づいたのは偶然ではない。オマエは」

そこまで言った時、突然庫内の空気が変わった。


な、何だ?


須原が器具庫を飛び出して行った。

「須原サン!」

「猟、頼む!」

須原の残像がそう言い残して消えた。

嘘だろ。
 
オレにミドリを殺せだなんて。
須原サンにできないことがオレにできるわけないやんか。