3、抹殺された勇士

夜中に幽霊騒ぎでおちょくられてから朝まで眠れなかった。
オレは1時間目の授業だけ受けると、あとは体育館の器具庫で眠ることにした。
 
30分もした頃である。

枕元に人の気配を感じた。

また幽霊か? 
などと、どうも昨夜から神経質になっているらしい。

「猟・・・」

名前を呼ばれた。
しかし器具庫の扉が開いた形跡はない。
 
嘘だろ。
 
そんなことを呟きながら片目だけ開けてみた。

「うわああああ!」

何か、いた。

「猟。オレだよ」

よく見ると須原サンだった。
ああ、びっくりした。

と同時に、オレの脳裏には恐ろしい光景が浮かんだ。
須原サンがミドリの母をメッタ刺しにするシーンだ。