なぜだか分からないがオレはミドリを自宅に連れて来た。

「暫くココから学校に通え」

「・・・猟。いいのか?」

「オレもお袋はいねえし。ついでに親父もいねえけど」

祖母がニコニコしながら紅茶をいれた。

「あ、如月ミドリといいます。突然ですがお世話になります」

ミドリは祖母に頭を下げた。

「オレの身内はこのバアチャンだけや」

「両親は殺されたのか?」

「バ~カ。日本じゃそう簡単に人は殺されねえよ」

「じゃあ事故?」

「さあなあ。もう昔の話や。それよりオマエ、腹減ったろ? バアチャン、こいつに何か食わせたってくれ。オレはもう寝るわ」

オレはとっとと自分の部屋に消えた。
今はミドリと過去について語り合う気にはなれない。

須原サンから国の惨状を聞き、ミドリからクーデターの話を聞き、今はどちらがどうなのか判断できない。